「ii(アイアイ)」——このシンプルなシンボルマークには、見た目以上に深い意味が込められています。
Integrity Instituteの頭文字を取ったのは、「誠実」「真摯」「高潔」の原点を示しています。しかし、それだけではありません。この「ii」は、人と人が寄り添うことを現しています。ふたつの「i」は、互いに向き合い、寄り添い、支え合う人の象徴なのです。ひとりの存在が、もう一人を際立たせ、支えている。「人を愛し、地球を愛す」という「ありたい姿」を視覚化しています。
「i」の上にある点は、実はよく見ると「◯(まる)」になっています。この◯は、単なるデザインではありません。これは日本古来の「和(わ)」の象徴です。聖徳太子の十七条憲法、その第一条は「和を以て貴しと為す」です。ただ仲良くしようという意味ではありません。違いを受け入れ、衝突を避け、互いの立場を尊重しながら協調し、共に前に進むという、深い利他の精神です。京都には、聖徳太子が建立したお寺「六角堂」があります。わざと”五感とこころ”をカタチに現すことで「和(わ)」の大切さを意識させているのです。今、私たちは分断や対立ではなく、つながりと共感が求められる時代にいます。それは決して欧米の思想に背を向けることではなく、日本が古くから培ってきた知恵と文化の中にこそ、変化を乗り越えるヒントがあるということです。
「ii」の一方の「i」を「オレンジ」、他方を「ブルー」にしています。
* オレンジ:人のぬくもり、情熱、共感
* ブルー:安心感、信頼、安定
対照的でありながら、補い合うこの二色は、まさに人と人の関係性を象徴しています。温かさと冷静さ。情と理。両方がそろってこそ、社会も組織もバランスよく成り立つのです。
高度経済成長期を支えた日本の企業文化は、単なる利益追求ではなく、「人を生かす」「自然と共に生きる」ことを大切にしてきました。 目の前の人を大切にする。地球と調和して生きる。そこには日本独自の経営哲学、「和の経営」が息づいていました。今、私たちが目指すのは、日本企業の“こころ”を、現代にもう一度取り戻し、再解釈し、次の世代へとつなぐことです。
「ii」いうシンボルマークは、小さな記号にしか見えないかもしれませんが、そこには私たちの価値観と、日本の文化、そして未来への希望が詰まっています。私たちが目指すのは、「人を生かす経営」「自然と共生する事業」「誠実さを軸にしたリーダーシップ」。そして、世界のどこにいても共感される、“日本発の普遍的価値”の再構築です。
あなたの隣にいる人を、もう一度ちゃんとみてください。誰に対しても公平な、人を陥れたり悪口を言わない人、ミスをすれば謝り、また、前を向いて歩く人、それが、未来を変える第一歩かもしれません。」